改めて、新年明けましておめでとうございます。皆様におかれましては、健やかな新年をお迎えのことと思います。
上の掛け軸は昔、京都の師匠のもとで作らせてもらったのですが、本紙は「如意宝珠(にょいほうじゅ)」をこれでもかと描かれたものです。
如意宝珠とは「仏教において願いを意のままにかなえる珠」とされています。これだけあれば夢かなえ放題です。
ところで、表具の裂地でもよく宝珠が描かれています。特に「宝尽くし」という紋様には必ずといっていいほどあります。
当店所有の裂地で宝尽くし紋様を写してみました。たくさんのお宝縁起物が描かれています。
これは打出の小槌です。昔話にも登場し、振ると願い事がかなうというものです。
これは金嚢といい、お金を入れる袋です。富の象徴です。
これは分銅です。両替などに使われた分銅ですが、これも富の象徴です。
これは巻物と玉(ぎょく)と思われます。これも富の象徴でしょうか。
これは犀角(さいかく)です。動物の犀(さい)のツノです。薬になるようです。
犀角に似ていますが、これは丁子です。香辛料のクローブです。薬や香辛料に使われますが、昔は原産地が限られていたため珍重されたようです。
これは軍配です。勝利の象徴でしょうか。
これは隠れ笠と思われます。被ると透明人間になれるというもの。
これは宝鑰(ほうやく)といいます。宝物庫のカギです。
おおまかな、お宝の説明は以上です。わからないものもありましたが、富の象徴が多いですね。あとはドラえもんの道具みたいなものがチラホラ。宝尽くし紋様は必ず決まった組み合わせはないようで、違う組み合わせもありますし、違うお宝紋様もまだまだあります。表具関連以外でもよく使われる紋様なので、これは何、あれは何と探してみてはいかがでしょうか。
最後に、今年も表具 加勢田芳雲堂を何卒宜しくお願いいたします。
また皆様にとりまして幸多き一年となりますよう心からお祈り申し上げます。