いきなりですが、これはイボタ蝋と呼ばれる蝋の塊です。
我々は特に表具において襖や障子の敷居に塗り、すべりを良くしたり、軸装の最終段階で裏に塗り、防湿や掛け軸を巻き易くする手助けをしてもらったりに使います。
一般では、ろうそくの原料や木製家具の艶出し、また止血剤としても使われるそうです。
実は、この蝋の成分は虫から取れるものなのです。その名も「イボタロウカイガラムシ」。
そのままの名前ですね。この虫が分泌する白いものがモクセイ科の樹木にモコモコと付着し、枝が真っ白になるほどです。この白いモコモコを採取し精製したものが、上の画像になります。
イボタ蝋の融点は81℃と高く、夏でもベタつかずに使用できます。
カイガラムシの仲間はたくさん存在し、それぞれ蝋やワックス・コーティング剤・色素になるそうです。色素については、深く調べないことをおすすめします☆