高野山は、ようやく桜が咲き始めました。
この前、鳥獣戯画の手ぬぐいをいただきました。それを見てあるものを作ろうと思いつきまして...それは「横被(おうひ)」と呼ばれるもので中国独自の表装です。巻子と欄間額の間といった形をしております。
横被の面白いところは、まず観賞するときは左右の棒に穴が開いており、そこへ釘を刺し壁へ打ち付けるところです。
横に長い場合、途中にも釘を打ち安定させるために「乳(ち)」と呼ばれる出っ張りがついています。
そして、収納時には巻子のように巻くことができます。通常、巻子などは丸い軸棒がついていますが横被の場合、半円の軸棒が二つ並んでついています。巻くときは、その二つの軸棒が重なり、丸い軸棒となって巻くことができるのです。
私が横被を作ったのは、これが二回目で「知る人ぞ知る」表装って感じです。滅多に注文はありません。
横被について調べてみると、”僧が七条以上の袈裟 (けさ) を掛けるとき、別に右肩に掛ける長方形の布”といった記述があり、「法衣としての横被」が出てきました。その横被の様子が「表装形式の横被」と似た形をしているので、歴史を辿れば同じ発祥に着くかもしれませんね。