掛け軸には真・行・草と3つの形があり、さらにそれぞれの形から真・行・草と分かれます。
下左図は「真の真」の形です。
この形はそれぞれの裂地が周りを取り囲むようにしてできています。
さらに【総縁(柱)と中廻し(中柱)】、【中廻し(中柱)と一文字(廻し)】それぞれの間には筋という細い裂地が入ります。
風帯は一文字と同じ柄の裂地を使います。
「真の真」から一文字廻しをなくした形が「真の行」になります。
この形は仏画や御集印軸などによく使われます。
なお真の形の中で「真の行」から風帯を中廻しと同じ柄の裂地で作ります。
「真の行」から一文字・一文字廻しをなくした形が「真の草」になります。
下左図は「行の真」の形です。
天地(上下)・中廻し・柱・一文字・一文字廻しからなります。
風帯は一文字と同じ柄の裂地を使います。
「行の真」から一文字廻しをなくした形が「行の行」になります。
「行の行」は三段仕立とも呼ばれ、あらゆる本紙に使われる形です。
「行の行」から一文字・一文字廻しをなくした形が「行の草」になります。
行の草での風帯は中廻しと同じ柄の裂地になります。
行の形から柱の幅を細くしたものが草の形になります。
輪補(りんぽ)とも呼ばれ茶道に用いられる茶掛によく使われる形です。
なお草の形では「草の真」はありません。
「行の行」で柱が細くなったものが「草の行」です。
「草の行」で一文字は省かず、垂風帯を取り付ける代わりに裂地や和紙を貼り付ける押風帯にした形、または全体の裂地を揉み紙などの和紙を使い仕立てた形が「草の草」です。
下図は「丸表具」という形です。「袋表具」とも呼びます。
簡素な形でさらに一文字をなくした形や両端に細い裂地を付けた形【明朝仕立て(下右画像)】などさまざまな様式があります。
本紙・一文字と総地廻しの間には細い裂地で筋が入ります。